2024年9月6日:8月30日にSMILE-UP.社の出した「現時点までの被害補償の状況(取りまとめ)とお願い」について
9月7日で、旧ジャニーズ事務所が性加害問題に関する記者会見を初めて行ってから1年が経ちます。
昨年9月の記者会見以降、性暴力被害者に対してSMILE-UP.社が進めてきた補償の取り組みは、一定程度評価できる部分もありますが、依然として不十分な点が多く残されています。
PENLIGHTからは、SMILE-UP.社に、性加害問題の関係者への網羅的調査と、性暴力被害者の尊厳を第一に考えた誹謗中傷対策を求める要望書を提出しました。
8月30日にSMILE-UP.社の出した「現時点までの被害補償の状況(取りまとめ)とお願い」では、「もし、被害にあわれた方で被害者救済委員会へのご申告がお済みでない方がおられましたら、以下のフォームより、お早めにご連絡をいただけますようお願い申し上げます。」と記載があります。
https://www.smile-up.inc/s/su/group/detail/10045?ima=0017
被害者たちは声を上げられるまでに数十年かかる方もいます。数ヶ月で解決することは不可能です。早く解決して忘れて次に進むのではなく、二度と同じような被害を生まないために被害者と深く向き合い、時間をかけて網羅的調査を行うことを求めます。
2024年9月5日:SMILE-UP.社への要望書
株式会社SMILE-UP. 御中
要 望 書
わたしたちは「PENLIGHT 旧ジャニーズ事務所の性加害を明らかにする会」と申します。旧ジャニーズ事務所の所属タレントをこれまでこよなく愛し、応援してきた者たちです。
昨年9月7日の記者会見以降、性暴力被害者に対して貴社が進めてきた補償の取り組みは、一定程度評価できる部分もありますが、依然として不十分な点が多く残されています。5月28日には、国連ビジネスと人権作業部会が訪日調査最終報告書を公表しました。被害者救済委員会の面談で弁護士や臨床心理士の同席の申し出がなかったこと、補償に際して弁護士費用を自己負担しなければならないことが報告されています。国連作業部会の指摘にしたがって、被害者の声に誠意をもって向き合う必要があります。これに加えて、弊会からは特に以下の2点を要望します。
(1) 元社員2人による性加害について
3月30日に公開されたBBCのインタビューで、社長の東山紀之氏は、ジャニー喜多川氏だけでなく、2名の元社員も性加害を行っていたことを明らかにしました。この事実は、事務所全体に性加害を許容する風土が蔓延していたことを示しています。今後の再発防止策は、ジャニー喜多川氏個人の問題ではなく、事務所全体の権力勾配を是正する観点から講じられる必要があります。性加害が継続的に起きた原因を探り、再発防止策に繋げていくためには、網羅的調査が不可欠です。
また、当該の元社員2名は退職済みと報道されていますが、社内の処分のみで性加害者を野放しにするなど言語道断です。被害者の「プライバシー保護」や「心理的負担」は、網羅的調査や警察への情報提供を怠る理由にはなりません。調査や情報提供の過程で被害者のプライバシーや心理的負担を考慮するのは当然のことです。貴社には、性加害者を正当に処罰するために全力を尽くし、性加害を許さないという強い姿勢を表明する責任があります。
(2) 被害者への誹謗中傷対策について
4月25日、貴社公式HP上に「BBCへの抗議文書の送付について」という声明が公開されました( https://www.smile-up.inc/s/su/group/detail/10030?ima=3429 )。この声明はいくつもの問題点を抱えており、貴社が誹謗中傷の暴力性を真剣に考えているのか、強い疑念を抱かざるをえません。BBC宛の書面では、「SNS等で誹謗中傷をする方々がそのような反論を楯にしがちであることから、そのような方々にご理解をいただきながら誹謗中傷対策を進めることには相当な難しさがある」と伝えたということですが、誹謗中傷をする人々に「ご理解をいただく」ことなど不可能であり、その必要もありません。貴社が理解を得るべきなのは、いま誹謗中傷を受けている被害者たちです。誹謗中傷と闘うなら、「誹謗中傷は例外なく人権侵害である」「誹謗中傷は言論の自由などという言葉で決して正当化されない」と明確に発信しないのはなぜなのでしょうか。BBCの編集方針の問題ではありません。「言論の自由もある」「ライン引きが難しい」といった無責任な表現が誹謗中傷を助長していることは明白です。
貴社HPのトップには、「SNSなどを通じて被害にあわれた方やご家族等に対する誹謗中傷が行われております。そのような不当な行為は絶対に止めていただきますよう切にお願い申し上げます」という呼びかけが掲げられています。本当に誹謗中傷を減らそうとしているのであれば、昨年10月9日に出された声明文をいますぐに撤回してください。「被害者でない可能性が高い方々が、本当の被害者の方々の証言を使って虚偽の話をされているケースが複数あるという情報にも接しており、これから被害者救済のために使用しようと考えている資金が、そうでない人たちに渡りかねないと非常に苦慮しております」という声明は、「本当の被害者」と「虚偽の被害者」を恣意的に分断するものであり、被害申告を困難にしています。加害の原因をつくった組織が「本当の被害者」を識別しようとすること自体が、被害者の信用を著しく損なう行為であることを自覚してください。
また、名乗り出た被害者の証言を否定するために、過去の雑誌記事や当時の記憶等を根拠に恣意的な情報提供をした一部のファンに対して、貴社が書簡で謝意を伝えたことも明らかになっています( https://archive.md/YzIdf )。こうした対応は、被害証言を否定する風潮を強め、誹謗中傷を扇動しています。いまだ多くの被害者が誹謗中傷に苦しんでおり、なかには国外移住を余儀なくされた被害者もいます。貴社の一連の対応は、あまりにも人権意識を欠いています。
つきましては、弊会より貴社に対して次の対応を求めます。
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元社員2名の性加害に関して警察に情報提供を行うと同時に、関係者への網羅的調査によって一連の性加害問題の全容解明を進めてください。
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今年4月25日の声明、ならびに昨年10月9日の声明を撤回してください。そのうえで、性暴力被害者の尊厳を第一に考え、いま一度、誹謗中傷に断固として反対する意志を表明してください。
10月1日(火)までに上記要望への回答を求めます。回答は随時公表していきます。
回答は、郵送もしくは下記連絡先アドレス宛にお送りください。
以上、よろしくお願いいたします。
2024年9月5日
PENLIGHT(ペンライト) 旧ジャニーズ事務所の性加害を明らかにする会
2024年9月4日:ジャニーズ性加害問題当事者の会解散に際して
9月7日にジャニーズ性加害問題当事者の会が解散するとのことです。
当事者の皆様におかれましては、この一年数ヶ月、目まぐるしい日々だったかと思います。大変お疲れ様でした。
当事者の会が解散しても、旧ジャニーズ事務所の性加害問題は終わりではありません。
全容解明を望んでいる被害者、誹謗中傷を受け続けている被害者がいることを忘れず、これからも声を上げた当事者たちと連帯し続けます。
2024年2月8日:元週刊文春編集長による10カ条の公開質問状を受けて
元文春編集長「怒りの公開質問10カ条 | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
1999年から始まる旧ジャニーズ事務所内で行われた性暴力被害者の告発に関する記事や、昨年から被害者の告発の場になったことは旧ジャニーズ事務所の性暴力を明らかにするための非常に重要な動きでした。
結局皆、時間が経てば忘れてしまうのか、という怒りや落胆の気持ちを持ちながらも問題を風化させないように動くことは非常に大切なことだと思います。記事の主旨に概ね同意しつつ、以下にPENLIGHTの意見を述べます。
“4.新会社の名前やジャニーズを冠したグループ名の選定をファンクラブに相談するということですが、これは全員にアンケートでも取ったのでしょうか。それともファンクラブの一部幹部と話し合ったのでしょうか。
5.なぜ、そこまでファンクラブに権限をもたせるのでしょうか。”
ファンクラブ会員に対し、新社名のアイデアを求める連絡はありましたが、その決定プロセスには関わっておりません。ファンを尊重しているように見せているだけで、経過は不透明であり、結果を知らされたに過ぎません。
“女性ファンたちも、現役が告白することを応援し、それを望む声明を出してこそ、時代を切り開く行動になると自覚してほしいと考えます。”
これには明確に反対します。
性暴力被害者が安心して安全に被害を告白・相談できる環境ひいては社会を作ることで被害者の声を聞くことと、被害者に対して社会に告発をするよう働きかけることはまったく異なります。
被害を告白する先が週刊誌等メディアしかない、誰も話を聞かないから相談先がない現在の状況こそが、日本社会に性暴力についての理解・認識が欠如している現れです。
性暴力支援の相談先が女性以外の周縁化された被害者にとっても信頼できるような場所になる必要があり、そのために行政や、私たちPENLIGHTのような任意団体や他の民間団体が行うべきことがあります。団体ではなくても一人一人にできることがあるはずです。
昨年9月と10月に行われた旧ジャニーズ事務所の記者会見において、記者から現役所属タレントたちに直接「お二人は被害を受けていたのではないですか?」等の質問が飛び交いましたが、明確な二次加害です。このような言動は被害者の人権と意思を否定するものであり、厳に謹んでくださるよう強くお願いいたします。
旧ジャニーズ事務所職員と関係者各位に網羅的な聞き取り調査して被害の実態・全容を解明する必要があるのは事実で、それこそが旧ジャニーズ事務所の取引先であったテレビ局、新聞社等の責務、ひいては国連が勧告しているように日本政府が主導で行うべき最重要案件ですが、それは現役タレントを含むジャニー喜多川の支配下にあった人たちの中に被害を申告できず心身のケアに繋がれていない人を回復に繋げるため、そして二度と同じようなことが起こらないように再発防止策の策定のために行われるべきで、被害者に告発することを求めるべきではありません。何もかも被害者にやらせる、闘わせようとするのはあんまりだと当事者の会の皆さんを見ていて強く思います。
そもそも長期にわたり絶対的な権力を持つジャニー喜多川の支配下で生き抜いたタレントたちは広義のサバイバーです。
今日までのSMILE‐UP.社の発表が、「現役所属タレントは直接的な被害に遭っていない」かのような前提で行われているという認識は日々関連ニュースを追っている皆さんにあると思いますが、実態は誰にも分からないのです。そしてファンを含めた部外者が詮索する、さらに被害のケアより先に告発するよう働きかけるという行いに、PENLIGHTは明確に反対します。
2023年12月30日:12月28日のSMILE-UP.被害者特設サイトにおける補償状況の報告を受けて
補償受付窓口への申告者数907人。すさまじい数です。
申告した皆様の補償と合わせて心身の回復も進むよう、どうかSMILE-UP.は被害者に寄り添った対応をしてください。
被害に遭われた方に対してこれだけの偏見や誹謗中傷があり、性暴力被害に無理解な社会の中での申告はとても困難です。
きっとこの907名の方々の他にも被害に遭われた方がいます。少しでも自身の苦しみを周りに言えるような社会を作っていきましょう。
そして、申告をしないという選択をした方たちもいます。そのような選択を選ばざるを得ない被害者たちの声にもどうか耳を傾けてください。
2023年12月21日:みんなで選ぶ!チェンジメーカー・アワード2023
みんなの声で作るエンターテインメント部門受賞を受けて
誰かの苦しみの上に成り立つエンターテイメントはいらない、と、この間、強く思いました。多くの人が賛同してくれて社会的に問題に対する認識が広まりました。しかし、反発も強く当事者への誹謗中傷が続いています。
署名は締め切りましたが当事者は被害経験と付き合い続けなくてはいけません。SMILE-UP.(旧ジャニーズ事務所)の対応も補償もまだ始まったばかりです。ぜひ引き続き注視し、当事者をサポートしてください。一緒に声を上げて、この社会を変えていきましょう!
2023年12月15日:株式会社STARTO ENTERTAINMENT発足を受けて
12月8日、旧ジャニーズ事務所所属タレントのファンクラブ会員に向けて新会社の社名と代表取締役CEOの発表が行われました。
動画内では被害者への言葉や会社が別れた経緯の説明はありませんでした。
このような、ファンには性加害について説明せずただエンターテイメントを楽しんでもらえれば良いという姿勢こそが、旧ジャニーズ事務所内で行われた性加害への無理解を生み出し、誹謗中傷を加速させています。
被害者への補償が始まらないと新会社発足の発表はできないということで当初の11月発表の予定が12月にずれ込んだように、今後もSTARTO ENTERTAINMENTの芸能プロダクションとしての信頼はSMILE-UP.が性加害問題にどれほど誠実に向き合っていくかにかかっています。
たとえ資本・経営を別にしていても、専制的なジャニー喜多川氏の支配下にあったタレントたちと契約を結び仕事をしていくのだから、STARTO ENTERTAINMENTが社として性加害に無関係を貫くことは不可能です。
今後、被害者への言葉があるのか、どのような説明がなされるのか注視しています。
2023年11月22日:名称変更のお知らせ
PENLIGHT ジャニーズ事務所の性加害を明らかにする会は、事務所の名称変更に伴い「PENLIGHT 旧ジャニーズ事務所の性加害を明らかにする会」に名称変更いたします。
改めて、その名前に込めた思いをここに記したいと思います。
・「ジャニーズ事務所」の名前を残す理由
ジャニー喜多川氏からの性暴力被害が拡大する要因になったのは「ジャニーズ事務所」です。社名を変更した「ジャニーズ事務所」は「SMILE-UP.」となり、補償会社として存続しますが、加害者が誰であったのか、性加害の構造を生み出した責任主体はどこにあったのかは記憶され続けなければならないと考えます。私たちは旧ジャニーズ事務所内でなぜ性暴力が起きてしまい、なぜそれが現在まで放置されてしまったのかを問いたいのです。
そのため、「ジャニーズ事務所」の名前に旧をつけ、引き続き使用することにします。
・「性加害」の言葉に込めた思い
性暴力被害者が矢面に立ち、なぜ被害にあったのか問われつづける社会に憤りを感じています。それは加害者にこそ問うべきです。
なお、今年の流行語に「性加害」がノミネートされています。「性加害」という言葉の存在で加害者側にスポットを当てやすくなったことは非常に意義深いことであると考えます。
過去には「セクシュアル・ハラスメント」「ドメスティック・バイオレンス」などの言葉も”流行語”になるほどの社会的インパクトを与えましたが、その言葉によって今まで見えなかったものが見えてきました。しかし、その言葉の裏にはたくさんの性暴力被害者がいるということを忘れてはいけません。
・「明らかにする」とは
ジャニー喜多川氏の加害は多くの被害者たちの証言によって明らかになりつつあり、また株式会社SMILE-UP.も説明を続けています。
しかし、メディアや私たちファンを含む社会がこの被害を間接的に見過ごしてきて、今も二次加害が続いている状態ではまだ性暴力の構造が明らかになったとは言えません。
私たちが問いたいのはなぜこの社会で、性暴力が起きてしまうのか、なぜ加害者の責任が問われず被害者が泣き寝入りせざるを得ないのかということです。引き続き、それらが明らかになるまで問い続けたいと思います。
2023年10月28日:NEWSコンサートにおけるメンバー増田貴久の発言について
NEWS増田くんのコンサートでの発言について…NEWSは今ツアー期間中で、記事として出ている発言だけでなくたくさんの危うい発言があります。
PENLIGHTでは声明文等で、性加害を「乗り越える困難」としてファンとの連帯感を強める演出にしてしまうことの問題点を指摘していましたが、それはツアー中の小山くんの挨拶を念頭に置いたものでした。今年20周年のNEWSは今までたくさんの困難を乗り越えてきましたが、それらの困難と性加害の問題は全く違うものです。
このような認識と、性加害を茶化すような発言はどちらも性加害が起こってしまった事務所で芸能活動を継続しているということに無自覚で、性暴力被害に対しての認識不足という点で地続きです。
増田くんの発言はもちろん問題ですが、それをSNSに取り上げることを止める発言もありました。NEWSは特に厳しくSNS等でのセトリ・演出のネタバレを禁止しているグループなので、多くのファンがそれに従っています。
問題があると認識しているからこそSNSへの書き込みを止めたのだと思いますが、問題を認識しているのならすぐにその発言の問題点を指摘して謝ればよかったのに怒られないように隠すような行為は非常に残念です。
NEWSのツアー中には随所に旧ジャニーズ事務所の新体制を茶化すような発言がみられます。
同時に、「ジャニーズ事務所は不滅です!」などの発言から「ジャニーズ」への強い思いも感じられます。
特に増田くんはジャニーズが大好きで、ジャニーズ事務所に誇りを持っていることも知っています。なぜジャニーズと言ってはいけないのかと憤りもあるでしょうし、父のように接してくれたジャニーさんが同時にたくさんの人に性暴力をふるっていたということは、私たちファンよりもタレントたちの方がショックだし、考える時間が必要なのは当然のことです。
「ジャニー喜多川」「ジャニーズ事務所」は決してタブーではありません。「言ってはいけない」のではなく、真剣に時間をかけて向き合う必要があります。
その過程で気持ちが抑えられず、問題を矮小化したり、状況に憤りを感じたりすることもあるかもしれません。そのような気持ちを外に出してしまうことは性暴力被害者を傷つけ、またアイドルという立場からはファンの怒りの矛先を被害者へ向けてしまう行為でもあります。
時には発言しないことも大事だし、メディアを含めた周囲の人間はこのことについて聞かないことも必要です。
じっくりと考えていって欲しいし、事務所はタレントに何が起こっているのか、事実と、性暴力被害とは何か、そしてなぜ体制や社名を変更するのかを伝え、タレントを守り、
時にはタレントを休ませる判断もするべきだと思います。ツアー中であり、ドーム公演やCDの発売が控えている大事な時期なのは百も承知ですが、新しい体制もどうなるか分からない混乱の中、いつも通りに仕事をしなくてはいけない状況が最善なのか疑問も感じます。 NEWSの音楽は私たちにたくさんの勇気をくれました。その勇気を受け取った人の中には、様々な人がいます。もしかしたらその中に、性加害の問題を報道で目にして傷ついている人がいるかもしれないし、セクハラやパワハラを受けて、そんな嫌なことを忘れたくて来ている人もいるかもしれない。
被害者の方だっているかもしれません。
NEWSは20年間成長し続け、変化する姿をファンに見せてくれました。これからも変わっていって欲しいです。
増田くんの発言には問題がありましたが、なぜこんなことが起こってしまったかといえば、事務所もタレントもファンも問題の本質がわかっておらず、向き合えていないからです。
私は1人のファンとして向き合っていきます。みんなで向き合って、一緒に考えていきましょう。
2023年10月13日:ジャニーズ事務所への要望書および抗議文
株式会社ジャニーズ事務所 御中
要 望 書
わたしたちは「PENLIGHT ジャニーズ事務所の性加害を明らかにする会」と申します。貴社の所属タレントをこれまでこよなく愛し、応援してきた者たちです。
現在、貴社が記者会見や会社経営の場などでタレントを矢面に立たせ続けていることに大きな危機感を抱いています。記者会見でタレントが矢面に立つ姿は、タレントよりも藤島ジュリー景子氏や白波瀬氏を守りたいという姿勢に見えているのです。
弊会は、所属タレントとしてジャニー氏の権力から強い影響を受ける立場にあり、性暴力が蔓延する空間を生きた当事者である東山氏が責任を取ることはできない、責任を東山氏に負わせることは理不尽であると考えています。これは東山氏が直接の被害者/加害者であるかどうかに関係ありません。
記者会見に出席する井ノ原氏や、報道番組でコメントを求められる所属タレントたちも同様に関係性における権力構造の渦中にあった被害者というべきです。したがって、タレントを矢面に立たせるべきではありません。名乗り出た被害者への補償・救済だけでなく、現役タレントへのケアと保護を同時に進めることを要望します。
さらに、社長や副社長という立場ではあるものの、タレントの東山氏や井ノ原氏を前面に出して訴えたことで「彼らを応援したい」というファンの気持ちが引き出され、タレントとファンが力を合わせて「この困難を乗り越えていく」という構図が作られてしまっています。性暴力の問題は長い時間をかけて被害者や社会と関わり続けていくものであり、「乗り越え」たらそれで終わる障壁ではありません。
この構造を作り出しているのは東山氏、井ノ原氏に限りません。
ファンは多くのタレントから、性加害問題に関することだと明言しないままではありますが「心配しないで、今まで通り俺たちのことを応援して! 一緒に乗り越えよう!」というメッセージを受け取っています。
ファンの不安を取り除こうとそのような言動を行う彼らの優しさは十分に理解できるのですが、性暴力の問題を「乗り越える困難」のようにファンに誤認させてしまいます。性暴力を決してエンターテインメントの一部にしないことを示すことが求められます。
このような発言がなされるのは、所属タレントに対して、一連の性加害の構造についての周知がなされていないためであると考えます。また、新しい雇用体制を含め今後どのように活動を続けていけるのかがタレントに対しても説明不足なため、不十分な情報のままタレントが不用意な発言をせざるをえない状況であると考えます。
10月4日にYouTubeのジャにのちゃんねるで公開された「#277【ご報告!!】現状がわかんなすぎて皆で話し合った日」の中では、タレントたちが「簡単に言うと(ジャにのちゃんねるの)名前変えます」と宣言し、「ジャニーズが付くもの、関連するものに配慮しましょうと言う感じだった」と語り、チャンネル名の入った絵やネオン看板をどうするのかという話を続けます。
多くのファンの「ジャにのちゃんねるはどうなるんだろう」という不安を感じ取ったタレントが、安心させるために自主的に発信してくれたのだろうと思いますが、自分の所属している事務所でたくさんの被害者を生む性加害が起こってしまったという事の重大さを認識していれば、被害の前にまず自分たちの作品のことを心配するような内容の動画にはなっていないのではないかと考えます。
貴社が「ジャニー喜多川氏の功績を後世に残さないために社名変更をする」という決断をしたことは意義のあることですが、タレントに社名変更をする意義が周知徹底されていないため、「とりあえず配慮しなきゃいけない」と発信されてしまっています。
いま、多くのジャニーズファンが社名や、関連するグループ名が変わることに対して大きな抵抗感を感じています。そのような状況下でタレントがこのような認識でいては、ファンも「なんで私たちがこんなことに『配慮』しなくてはいけないんだ」と反発することは当然かと思います。
また、多くのタレントが「記者会見で事態の詳細を知った」と述べています。タレントに周知徹底がされていないことは、10月8日に行われた堂本光一氏の会見での「われわれもテレビなどで知ることもあって、なんなんだこれはと思うこともたくさんある」、「新事務所を立ち上げていくということになると思うんですけど、まずは第一歩というところだと思う。これはどうなるんだろう、っていう疑問がたくさんある状態」という発言からも明らかです。(堂本光一がジャニーズ性加害問題に言及「何よりもまず被害にあわれた方が救われなきゃいけない」日刊スポーツ 2023年10月8日)
早急な対応が求められていることは重々承知ですが、どうか所属タレントへの説明も同時に行い、ジャニーズ事務所内で起こった性加害とは何だったのか、そして性暴力被害とは何なのかを所属タレントに伝わるようにしてください。
そして、性加害や性暴力被害についてタレントに伝える上で、どうか「性暴力被害は恥ずかしいことではない」ということもあわせて伝えてください。
9月7日の会見で、藤島ジュリー景子氏は所属タレントについて「みんながそういうこと(被害)があって今スターになっているわけではなく、ひとりずつのタレントが本当に努力して、そしてそれぞれの地位を勝ち取っているので、そこだけは本当に失望していただきたくないですし、誤解もしていただきたくないです」と述べています。
私たちファンは、タレントがたくさんの努力をしてあの場に立っていることをよく知っています。しかし、いま問題になっているのは、性加害によってその努力の結果を奪われたり、努力するスタートラインに立つことができなかったりする人たちがいるということです。 そして、努力をしているということを強調するというのは「性加害を受け入れたことによってこの場に立っているわけではない」と性被害を受けていないことを強調するためであると考えられます。そのような言説は、性暴力被害が恥ずべきことだという認識を強化し、特にジャニーズ事務所の現役タレントが被害を申告することへの妨げになります。
「父親のような存在」であるジャニー氏からの性加害を受けた際、それを被害だと感じることができない状態の被害者もたくさんいるものと思われます。今後、多くの時間をかけて「あれは被害だったのかもしれない」と思うようになる現役タレントもいるかもしれません。そう思った時に相談できるような企業であってほしいと願います。
そのためにも、今ジャニーズ事務所が積極的に発信するべきメッセージは「タレントは努力している」ではなく、「現役タレントが被害に遭っていても遭っていなくても、性暴力の構造の中にいたことには変わりないので、被害を申告している人とあわせてケアをしていく」と表明することだと考えます。
また、10月10日に「NGリストの外部流出事案に関する事実調査について」の声明が出されましたが、NGリストの作成に貴社が直接関与していたかどうかが問題とされているのではなく、日本の芸能界において数十年もの間、男性アイドルプロダクションとして君臨している貴社は、圧倒的権威であり、その自覚が欠如しているからこそコンサルティング会社が忖度して「NGリスト」を作成したのだという自覚が欠如しています。
取引先企業、特に出版社やテレビ局とは本来対等な関係でなければならないにもかかわらず、タレントという数字の影響力をもつ貴社は、一方的に圧力をかけて要望を不条理に捩じ込んできました。その蓄積が今回の事態を招いたのです。
企業としての再出発が、ステークホルダーとの健全な関係を一から構成し直す機会となることを願います。
最後に、30年前に性暴力があったという訴えを受け止め、現在対応している「岡まさはる記念長崎平和資料館」の対応を参考に示します。
朝鮮人被爆者の実態調査などに取り組んだ平和運動家で元長崎市議の故岡正治氏に生前に性暴力を受けたと訴えた女性の声を受け止めたNPO法人「岡まさはる記念長崎平和資料館」は、対応が遅れたことを謝罪し資料館の名称や岡氏の活動に関する展示内容などを見直すため、10日から休館するという対応をとっています。
ホームページ上に載せられた声明には「理事会の中には2020年の時点で情報を得ていた者がいたにもかかわらず、対応がこのように遅れたことについて、資料館として深く謝罪いたします。
その背景には、「権威ある男性を疑わず被害者の証言を重大に捉えなかった、自分達の内面化された性差別意識やジェンダーバイアスがあった、と自覚しなければならないと思います」と自省する言葉もあり、被害にあった女性も「性暴力の被害者の声が無視されることが多い中、国際的なテーマを扱う平和資料館が、著名な平和運動家による過去の性暴力を認めて反省し、二次加害防止に取り組む姿勢を示したことは画期的。女性蔑視や性差別をなくすきっかけになることを願っている」と語っています。
一度起きてしまった性暴力被害がなくなることはありませんが、その被害にこのように向き合っていくことができるのだという一つの例ではないかと思います。
もちろん、今後どのような運営方針になるのか課題は多々あるかと思いますが、被害者に向き合う姿勢が被害回復の第一歩につながることを感じられる声明文ではないでしょうか。
つきましては貴社へ対し次の事項を要望します。
・当事者であるタレントの保護とケアをしてください
・所属タレントや社員に、貴社内で起こった性加害の構造、性暴力被害とは何なのか、社名変更をする理由、そして性暴力被害は恥ずかしいことではないという認識を徹底して伝え、発信してください
・貴社の権威性を自覚し、ステークホルダーとの健全な関係を築く努力をしてください
貴社におかれては、本要望書でお示しした各事項を真摯に受け止め、できうる限り実行されたく切に願います。
2023年10月13日
PENLIGHT(ペンライト) ジャニーズ事務所の性加害を明らかにする会
株式会社ジャニーズ事務所 御中
抗 議 文
わたしたちは「PENLIGHT ジャニーズ事務所の性加害を明らかにする会」と申します。貴社の所属タレントをこれまでこよなく愛し、応援してきた者たちです。
貴社のホームページに10月9日付で掲載された声明「故ジャニー喜多川による性加害に関する一部報道と弊社からのお願いについて」の内容は、いま声をあげている被害者の方々へのセカンドレイプや誹謗中傷を加速させるものであり、強く抗議するとともに即時撤回を求めます。
「弊社は現在、被害者でない可能性が高い方々が、本当の被害者の方々の証言を使って虚偽の話をされているケースが複数あるという情報にも接しており、これから被害者救済のために使用しようと考えている資金が、そうでない人たちに渡りかねないと非常に苦慮しております」
この一文は、報道を見る市民を「この人は本当の被害者ではないのかもしれない」と疑心暗鬼に陥らせ、誰が「本当の被害者」で誰が本当は被害者ではないかを私見で判断する事態を招きかねません。
現在、すでに声をあげた被害者に対して、「当時の雑誌や出演番組を調べたが在籍した証拠はない。よって被害者ではない」「○○のコンサートは昼公演だから夜合宿所に泊まるはずはない。だから被害者ではない」などと断片的な資料をもとに被害者ではないと決めつける人が後を絶ちません。
そして「本当の被害者」ではないと断じられた方々は様々な誹謗中傷を浴びせられています。
貴社が「本当の被害者」に言及することは被害者への誹謗中傷を助長するだけでなく、被害申告をしようとしている方々の口を塞ぐ行為でもあります。
独立した第三者である再発防止特別チーム及び被害者救済委員会に判断を委ねているのであれば、調査中の証言に関して現段階で中途半端に触れるべきではありませんし、そもそも証言の信憑性に関して事務所名義で言及する権限はないはずです。
誰が・誰に向けて・どのような目的で誹謗中傷しているのかが把握できていないから、このような誹謗中傷を助長する声明が出されてしまうのではないでしょうか。
10月7日にファンクラブ会員向けに送られたメールには、「会員の皆様も心を痛め、苦しい思いをしている立場であるにもかかわらず、タレントを応援してくださっていることを理由に、SNS等で誹謗中傷を受けるような状況を弊社の問題が引き起こしておりますこと、心よりお詫び申し上げます」と書かれています。
ファンに対して謝るべきは誹謗中傷を受けるような状況を貴社の問題が引き起こしていることではなく、重大な人権侵害を数十年にわたり引き起こしていたこと、それを事務所が止められなかったこと、そして今なお被害者に寄り添う姿勢を見せることができていないことではないでしょうか。
被害者への誹謗中傷の一部はジャニーズファンによるものです。同じジャニーズファンとして、なぜそのようなことをしてしまうのか気持ちがわかるからこそ、その気持ちが被害者への誹謗中傷という形で表れてしまうことを非常に悔しく感じています。しかし、私たちにはそれを止める手立てがありません。止めることができるのはジャニーズ事務所だと思っています。
今一度、誹謗中傷とは何なのか、なぜそれが起きているのか、どうしたらそれを止めることができるのかを熟考いただき、改めて誠実な姿勢で声明を出して下さることを切に願います。
以上
2023年10月13日
PENLIGHT(ペンライト) ジャニーズ事務所の性加害を明らかにする会
2023年10月3日:10月2日の事務所の記者会見を受けて
昨日10月2日、ジャニーズ事務所による会見が開かれました。
被害者救済のための具体的な方法やグループ人権方針などが出され、向き合うための姿勢を整えていることが感じられました。
会見の冒頭で、井ノ原氏が誹謗中傷をやめるように呼びかけたことは良かったと感じています。
どんな発言が誹謗中傷にあたるかを具体的に明示しなかったことは悔やまれますが、報道各社は、経営体制を追及するだけでなく、まずはこの点を広く報じてほしいです。
タレントのエージェント会社を設立することに関しては、ジャニーズ事務所の所属タレントであり続けることで被害当事者であるかもしれない彼らが性加害問題に直面し続けるのは、本人たちの心身への負担があまりにも大きいのではないかと感じていたため、必要な対応だったと思います。
社名変更に関しては、ジャニー喜多川氏の功績を後世に残さないという決意のもと行われたことは理解しています。一方、ジャニーズファンとしてタレントを応援してきた身からすると、社名変更や解体というのが非常にショックであることも事実です。おそらく多くのファンもショックを感じていることと思います。
ともすれば、その気持ちは「被害者がジャニーズを潰した」という攻撃的な態度になりかねません。ファンの気持ちを汲み取りつつ、なぜそのようにしなくてはならなかったのか、周知徹底が必要かと思います。
また、名称変更をしたことでジャニーズ事務所の名前が消えて問題が風化してしまわないよう、どのようにこの問題を引き継いでいくかもメディアや社会全体で考えていく必要があります。
そして、弊会は所属タレントとしてジャニー氏と深い関わりのあった東山氏が新社長に就任して責任を負う立場となってしまったことを懸念しています。東山氏自身は「被害に遭ったことはない」と会見で述べましたが、たとえ本人が直接には被害をうけていないのだとしても性暴力が蔓延する空間を日常的に生きた当事者であることに変わりはありません。再発防止特別チームの調査報告書で使われた表現を借りれば、「関係性における権力構造」に最も深く巻き込まれた当事者の一人だったことに疑いの余地はありません。そのような人物に一連の性加害の責任を負わせることは明らかに理不尽であり、このこと自体が東山氏に対する重大な二次加害にあたる可能性があります。新社長の交代を含め、当事者に責任を負わせる体制の見直しを、いま一度真剣に検討していただきたいと思います。
加えて忘れてはならないのは、東山氏のみならず現役タレント全員が、直接の被害を受けたかどうかにかかわらず、性暴力が蔓延する場を生き延びたという点では、広い意味での「被害当事者」だということです。この前提に立つならば、いかなる形であれタレントを矢面に立たせることはすべきではありません。名乗り出た被害者への補償・救済だけでなく、現役タレントへのケアと保護を同時に進めることを要望します。
また、社長や副社長という立場ではあるものの、タレントの東山氏や井ノ原氏を前面に出して訴えたことで「彼らを応援したい」というファンの気持ちが引き出され、タレントとファンが力を合わせて「この困難を乗り越えていく」という構図が作られてしまっています。併せて、私たちは多くのタレントから性加害問題に関することだと明言しないままではありますが「心配しないで、安心して今まで通り俺たちのことを応援して」というメッセージを受け取っています。
ファンの不安を取り除こうとそのような言動を行う彼らの優しさは十分に理解できるのですが、性加害問題を「乗り越える困難」のようにファンに誤認させてしまうと感じています。
性加害問題は長い時間をかけて被害者や社会と関わり続けていくものであり、「乗り越え」たらそれで終わる障壁ではありません。性加害を決してエンターテインメントの一部にしないことを示すことが求められます。多くの被害者がいる中で、今まで通りに所属グループのエンターテインメントを楽しむことはできません。
それでも彼らの活動を応援するために、ファンのみんなにはタレントの魅せるのエンタメを楽しむだけでなく、性加害についても同時に考えてほしいです。
そして、「申告があれば調査は無責任ではないか」という記者の問いに、弁護士の木目田氏が「被害者の中にはこうした被害にあったことをおっしゃられる方や周りに知られたくない方もいらっしゃる。そういった被害者のプライバシーやお気持ちを尊重するのが出発点だと思います。ですのでそういった被害者のお気持ちに目を向けないで一方的な調査を行うのは不適切だと思っています」と再調査は難しいとの見解を示しましたが、再発防止チームの調査は限定的なものだったのだから、過去に在籍していたタレントや社員など関係者への聞き取りは必要です。
その中には当然被害者も含まれます。被害の全体像を把握しなければ再発防止はありえません。
被害を無理矢理にかつ詳細に聞き出せと言っているわけではありません。被害者と決めつけずプライバシー保護下での聞き取りはできるはずです。
そして、記者会見については参加した記者から「最前列の真ん中に座って、ずっと手を挙げ続けた私と望月さんを絶対に当てないことを事前に決めていたとしか思えない会見で、失望し、憤りを覚えました。井ノ原氏は「ルールを守って」と私に言い、隣の芸能レポーターたちは拍手していました。」との意見も出ています。
ジャニーズ事務所には記者の責任追及に真摯に応える姿勢を見せて欲しいです。一方、Arc Timesの望月記者は前回9月7日の会見で東山氏に直接「あなたは被害者ですか?」という、性被害に関わる質問としては最悪に近い質問をしていたことも事実です。
しかし東山氏が新社長となった以上、東山氏の加害問題への追及は妥当ではあります。やはり、当事者が性加害の責任を取るというのは非常に難しいと考えます。
また、記者の方たちはタレントたちにマイクを向けるのではなく、自社の報道姿勢を省みて、なぜ性加害が黙認される社会だったのか検証を進めて欲しいです。
なお、ジャニーズ事務所の社名変更に伴い、弊会の名称「ジャニーズ事務所の性加害を明らかにする会」の変更も検討しています。
決まり次第またお知らせいたします。
2023年9月29日:BPOへの意見の提出に際して
BPOに、ジャニーズ事務所から報道への介入がなかったか調査して欲しいと意見を送りました。
意見書では、合わせてジャニーズタレントがニュースキャスターをやることが適正なのかということ、タレントに性加害についてのコメントを求めるのはあまりにもセンセーショナルだということを記載しました。
私たちは、東山紀之氏が「キャスターをやるというのはダメなことではないかなとも思っています」と発言したことを重く受け止めています。
これはタレントたちの能力の問題ではありません。
タレントは立場上、特定の企業や商品の広告塔になることがあります。契約内容によって言動・行動に一定の制約を課せられる存在です。特定の企業について自由な言動ができない人間に、利害から独立した公平な報道ができるでしょうか。
また、東山氏は記者会見の場で「弊害もあった」と自身の5年に亘るキャスター経験を語りました。その弊害を一番感じているのはほかでもないファンです。
東山氏は一挙手一投足すべてがニュースに成りうるほどのネームバリューを持ってしまっています。
例えば『サンデーLIVE!!』において被災地の現地に入り、瓦礫撤去を手伝いながら取材する東山氏の姿は視聴者の情動にダイレクトに届いていました。
本来彼はニュースを届ける役割を担うはずなのに、被災地の人々のおかれた状況より「ヒガシが○○した」という情報が第一に視聴者に届いてしまっています。
ニュースとは第一に情報を伝えるもののはずです。ジャニー喜多川氏の性加害問題についての報道もそうで、タレントであるキャスターが視聴者の感情をあまりにも大きく揺さぶるせいで、視聴者に正確な情報が届きにくくなってしまっているのではないかと感じています。
公平な報道ができるように、プロのニュースキャスターがいます。
1週間の全てを報道に向き合えるニュースキャスターと、キャスター以外にコンサートも楽曲制作もドラマも雑誌もさまざまな仕事がある彼らとでは向き合えるものが違います。
それでもタレントでありニュースキャスターでもある彼らが死ぬほど努力をしてキャスター業に向き合っていることは知っていますが、タレント自身ではなく、報道のためにそのアサインが適切なのかという視点で考えてみて欲しいです。
ジャニーズタレントがプロのアイドルとして力を発揮できる場所は報道の場以外にもたくさんあります。また、コメンテーターとして自身の立場から発信することには何の問題もありません。
キャスターとしてではなくアイドルとして社会と向き合い発信して欲しいと思っています。
2023年9月23日:状況への懸念
PENLIGHT ジャニーズ事務所の性加害を明らかにする会 はジャニーズ事務所に所属するタレントを愛する者として、ジャニーズ事務所に性暴力被害者へ向き合うこと、誹謗中傷への対応などを4月から求めてきました。
9月7日に行われたジャニーズ事務所の記者会見を受けて、多くの事務所のスポンサー企業やテレビ局がやっとこの問題に向き合い始めています。
そのような状況の中、現在、多くのスポンサーからのコメントや報道番組などで「株式会社ジャニーズ事務所」の社名変更を求める声が上がっています。性暴力加害者の名前を冠した社名を使い続けることは、性暴力の上に成り立ったエンターテイメントをジャニー喜多川氏の功績として後世に伝えていくことになり、良いエンターテイメントのためなら性加害が許されるというメッセージの発信になってしまうため、いずれは社名変更は必要になるかと思います。
しかし、弊会としては今すぐの社名変更はジャニーズ事務所から性加害のイメージを引き離し、クリーンな雰囲気を作るだけになってしまうのではないかと懸念しています。そうなってしまうと、何も解決していないのに「何かをやってる感」が演出され、あたかも解決したかのような雰囲気となり、スポンサーや報道陣の追及の手を弱めることになってしまうのではないでしょうか。
社名を変更しようとしてもさまざまな手続きなどがあると予想される中ですぐに変更はできないと思われます。社名変更は中長期的な視点で考えつつ、まずは被害者への補償、誹謗中傷への対応に取り組む必要があるのではないかと考えています。
そして、9月7日の記者会見後、タレントたちからはブログやSNS、コンサートのMCに至るまで、様々な複雑な思いが伝わってきます。
今のジャニーズ事務所の所属タレントであり続けることで、彼らは否応なく性加害問題について考え続けざるを得ず、事務所の対応一つ一つ、その結果のスポンサーやテレビ局などの対応一つ一つに振り回され続けます。
被害当事者であるかもしれない彼らがこのことに直面し続けるのは本人たちへの心身への負担があまりにも大きいのではないかと感じていますし、見ていてとても辛いです。
今までの彼ららしさを残したまま、新しいマネジメントの会社などを作り、新体制にしてそこに移籍するなど、できる方法は色々あると思います。ジャニーズ事務所と少し離れられるような環境を事務所側が用意してあげてほしいと思っています。
また、現在取引をやめたスポンサーや、ジャニーズ事務所の対応に疑問を呈するテレビ局などが「性加害はあってはならない」と示していることは社会の中の性暴力被害に対する認識を変えていく上で非常に重要であると感じています。
しかし、それも自社のクリーンなイメージを守るために行われていないか、今一度点検してほしいです。
「ジャニーズ性加害問題当事者の会」の相談にも応じている蔵元左近弁護士は「国
連の『ビジネスと人権に関する指導原則』や、日本政府の『責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン』は、取引停止を『最後の手段』と位置づけている。取引を停止すると、監視の目が行き届きにくくなるなど取引先での人権問題が、むしろ深刻になる可能性があるからだ。取引先で人権上の問題が生じた際は、それまでの取引関係で築いた影響力を適正かつ強力に行使し是正策を迫るなど、事態の改善に努めることが求められている」と述べています※。
なぜ、ジャニーズ事務所が不十分ながらも性加害の事実を認め、対応していくと発表したこのタイミングでの取引停止なのでしょうか。申し入れなどの段階を踏まず、今このタイミングでの突然の取引停止は、ジャニーズ事務所をいたずらに焦らせることになってしまうのではないでしょうか。
BBCの報道、カウアン岡本さんの記者会見、ジャニーズ事務所が謝罪動画を出した時など、追及するタイミングはいくらでもありました。他社が降りたから・降りないとイメージが悪いから降りる、という横並びの対応では真の解決にはつながりません。
そして、ジャニーズ事務所に制裁を与えることも解決には繋がりません。自社の責任を感じているのであればこそ、ステークホルダーとしてジャニーズ事務所と共に、どうやったら性暴力被害者の声を聞く社会を作ることができるのか考えてほしいです。
また、問題はジャニーズ事務所だけにあるのではありません。
取引をしている他の芸能事務所や企業の中には性暴力やセクハラ、パワハラ、差別などはないのでしょうか。今まで制作した広告や番組が女性蔑視な内容だと批判を受けたり、特定の民族や国を侮蔑しているスポンサーと付き合っていたり、そういったことに対する社内での点検や対応にも合わせて取り組んで欲しいです。
そして、沈黙のままジャニーズ事務所と取引を続けている企業はステートメントを出したりジャニーズ事務所に申し入れをするなどの積極的な行動を見せて欲しいです。
スポンサーやテレビ局、事務所の取り組みついて触れましたが、私たちファンもこの問題の当事者です。
あまりにもひどい性暴力に「もうジャニーズタレントは見られない」という気持ちを持つ人もいるかもしれません。その選択も当然です。
しかし、もし、まだ所属タレントを応援したい気持ちがある人は、どうか性暴力を許してしまっている現在の社会の構造からできるだけ目を背けず、その上でタレントをどう応援していくか共に考えていきませんか。
※…ジャニーズ問題で「CM起用中止の企業」に問う 「ビジネスと人権」専門家の弁護士が抱く疑問 東洋経済ONLINE 2023/09/18 https://toyokeizai.net/articles/-/702442
2023年9月17日:ジャニーズ事務所への要望書 二次加害について
株式会社ジャニーズ事務所 御中
要 望 書
私たちは「PENLIGHT ジャニーズ事務所の性加害を明らかにする会」と申します。貴社の所属タレントをこよなく愛し、応援してきたファンの一員として、5月8日と6月7日の2度にわたり、ジャニー喜多川氏による性加害の事実認定と謝罪、および被害者支援や再発防止措置の履行を求める署名を提出しました。また、8月1日にも別途要望書を送付し、被害者への二次加害に歯止めをかけるメッセージの公表を求めてきました。
9月7日の記者会見において、貴社が再発防止特別チームの調査報告を受け入れて被害者に謝罪し、補償・救済の意志を示したことは、長年にわたる隠蔽・放置・不作為の連鎖を打ち破る大きな一歩であり、ファンである私たちも感慨をもって受けとめました。言うまでもなく、これは出発点にすぎません。むしろ全てはここから始まるのであり、目の前には非常に困難な課題が山積しています。今後は、企業イメージや利益追求を優先するのでなく、何よりもまず被害者(まだ声をあげていない方を含む)の意志を第一に考え、性暴力を許さない企業として再出発を果たすことを期待しています。
今回の要望はシンプルです。いま声をあげている被害者に対する二次加害をやめるよう呼びかける声明文を公表し、報道各社に対して、その内容を積極的に報じることを要請してください。
先日の記者会見の冒頭、新しく代表取締役社長に就任した東山紀之氏が「被害者の方々への誹謗中傷は今後やめていただきたい」と述べました。私たちの要望書を受けてのことかどうかは不明ですが、この呼びかけ自体はきわめて大きな意義をもっています。しかしながら、短い一言にとどまったこともあって、報道陣の関心は新しい経営体制の話題に集中し、誹謗中傷の問題は会見後の報道でもほとんど触れられないままとなっています。現状では、残念ながら東山氏のメッセージは世間に届いていません。
「ジャニーズ性加害問題当事者の会」の発起人である二本樹顕理さんは、9月8日に配信されたインタビューのなかで、会見後もSNS上の誹謗中傷は「一向に収まる気配がない」と証言し、東山氏の言葉は「効力を発揮していない」と述べています ( https://www.youtube.com/watch?v=lCkKTKmPxTU 29分43秒付近の発言)。実際、9月11日に実施された「当事者の会」の記者会見を中継したYouTube動画のコメント欄には、「金目当て」「不快な会見」「所属タレントの仕事を奪うな」といった暴言が容赦なく書き込まれています( https://www.youtube.com/watch?v=yh59Af_tVcI )。 貴社が声明を発しても誹謗中傷がゼロになることはないかもしれませんが、二次加害に反対する姿勢を明確に示すことは、被害者の味方でありたいという意思表明として重要な意味をもちます。「故ジャニー喜多川による性加害問題に関する被害補償及び再発防止策について」と題する9月13日付の貴社発表の文書には、「被害者の方々との対話を進める所存です」と記載されていますが、二次被害を受ける恐れが大きい状況では新たな被害申告が困難となり、「対話」の場に参加できる被害者は減っていきます。被害者の声に寄り添いながら再出発を果たすためには、二次加害を許さないというメッセージをいま一度公表し、社会全体に浸透させていく努力を継続することが不可欠です。
声明の発出にあたっては、「誹謗中傷をやめてください」といった抽象的な表現にとどめるのではなく、性暴力被害者支援に関わる専門家の協力を得ながら、どのような発言や書き込みが二次加害にあたるのかを具体的に例示することを強く要望します。日本社会では性暴力被害者の現実が十分に知られておらず、無自覚に二次加害を行う人々が大量に存在するからです。
(1)「死ね」「消えろ」「何様だ」といった明白な人格否定はもちろんですが、そのほかにも、(2)「言ったもん勝ち」「金儲けのためにでっち上げている」といった、被害証言の真実性や正確性を疑う発言、(3)「デビューするために自分から受け入れたんだろう」「枕営業にしかみえない」といった、地位・関係性を利用した性暴力の現実を無視する発言、(4)「ジャニーさんを称賛する文章を過去に書いていたじゃないか」「証言の日時に矛盾がある」「なぜ加害者が死んだ後に言い出すのか」といった、グルーミングやトラウマの影響を無視した侮辱的発言が広範にみられます。加えて一部に (5)「法的に有罪を立証できないなら補償の「必要はない」といった、「法を超えた救済」を無力化するかのような言説が広がっています。 また、現役タレントを応援するファンのなかには、(6)「タレントの仕事を奪うな」「デビューできなかった恨みだろう」といった暴言を向ける人々も多くいます。このタイプの二次加害には、事務所が責任を負うことで現役タレントに不利益が及ぶのではないかという不安が影響していると考えられます。これを払拭するためには、現役 タレント個々人に不利益が及ぶことのないようあらゆる策を講じること、仮に現役タレントの被害申告があってもその事実の公表は本人の意志に委ねられること、そして何より、性暴力を助長した原因は貴社の旧経営体制にあり、名乗り出た被害者たちが現役タレントに迷惑を及ぼしているかのような発言は絶対に許されないことを宣言する必要があります。
なお、以上の要望とも関連しますが、所属タレントとしてジャニー氏と深い関わりのあった東山氏が新社長に就任して責任を負う立場となってしまったことを、私たちは深刻に懸念しています。東山氏自身は「被害に遭ったことはない」と会見で述べましたが、たとえ本人が直接には被害をうけていないのだとしても、性暴力が蔓延する空間を日常的に生きた当事者であることに変わりはありません。再発防止特別チームの調査報告書で使われた表現を借りれば、「関係性における権力構造」に最も深く巻き込まれた当事者の一人だったことに疑いの余地はありません。そのような人物に一連の性加害の責任を負わせることは明らかに理不尽であり、このこと自体が東山氏に対する重大な二次加害にあたる可能性があります。新社長の交代を含め、当事者に責任を負わせる体制の見直しを、いま一度真剣に検討していただきたいと思います。
加えて忘れてはならないのは、東山氏のみならず現役タレント全員が、直接の被害を受けたかどうかにかかわらず、性暴力が蔓延する場を生き延びたという点では、広い意味での「被害当事者」だということです。この前提に立つならば、いかなる形であれ、タレントを矢面に立たせることはすべきではありません。名乗り出た被害者への補償・救済だけでなく、現役タレントへのケアと保護を同時に進めることを要望します。
今後1年間出演料をタレント本人にのみ支払うという措置についても、スポンサー離れに歯止めをかけるためのパフォーマンスと受け取られても仕方ありません。タレントがこの状況に便乗して多くの報酬を受け取っているかのような見方を招く可能性もあり、タレントへのバッシングを誘発しかねません。
このほか、藤島ジュリー景子前社長が100%の株式保有を続けること、社名変更について十分な議論がなされていないこと、性加害の事実を確実に認識していたはずの白波瀬前副社長が謝罪をしていないことなど、会見で報道陣から批判されたポイントについては、私たちも同じく納得できていません。
とはいえ、二次加害に反対する声明の公表は、新体制の発足やガバナンス改革を待つことなく、何よりも優先して早急に実行されるべきです。ネットを中心とする二次加害は、被害者の心的外傷(トラウマ)を深刻化させ、ときに命の危険にもつながります。悪質な書き込みをする人々の人権意識も大きな問題ですが、事実を曖昧にしてきた貴社のこれまでの姿勢こそが根本原因であることを自覚し、行動に移してくださるようお願いします。被害者が安心して「対話」に加われる環境を整えることは、貴社が「解体的出直し」を図るうえで絶対に欠かせない一歩だと、私たちは信じています。
以上
2023年9月17日
PENLIGHT ジャニーズ事務所の性加害を明らかにする会
2023年9月8日:9月7日のジャニーズ事務所の記者会見を受けて
本日、ジャニーズ事務所により故ジャニー喜多川氏の性加害問題についての記者会見が開かれました。
私たち「PENLIGHT ジャニーズ事務所の性加害を明らかにする会」(以下、弊会)は署名活動を始めた当初からジャニーズ事務所に誠実な対応を求めてきました。なかなか記者会見が開催されない中で数多くの不十分な対応があり、弊会はそれらに対しても要望を出してまいりました。
ようやくジャニーズ事務所が記者会見を開き、藤島ジュリー景子前社長の口から直接の説明がなされたことで、私たちも次の段階に進むことができます。
まず、記者会見でジャニーズ事務所が故・ジャニー喜多川氏による性加害の事実を認定し、被害者に対して謝罪したことは被害者の人権回復のために大きな一歩であり、ここからすべてが始まります。また、短い一言ではありましたが、被害者への誹謗中傷をやめるように呼びかけがなされたことも、非常に重要な進展です。
故・ジャニー喜多川氏による性加害が最初に起きた数十年前から現在に至るまで、性暴力の実相は隠蔽され続けてきました。特に男性の性暴力被害については、2017年の刑法改正まで刑事罰の対象とすらされず、加害者が処罰されることはありませんでした。現在も性暴力被害者に対する法整備は十分とは言えません。また、未成年であった被害者が被害を認識し、訴えられるようになるまでには多くの時間を要します。それゆえ時効の壁が立ちはだかり、厳密な証明が必要とされる司法の手続きでは、救済の範囲が狭められる可能性がありました。事務所自ら「法を超えた救済」を表明したことは、あらゆる被害者の訴えを受け入れる姿勢とみることができ、大変嬉しく思います。ジャニーズ事務所がすべての被害者のために今後、継続的に被害者救済に取り組んでいくことを期待しています。
すべては始まったばかりであり、事務所の新体制や具体的な補償内容は現時点では不明ですが、今後はプライバシーの保護を前提に被害の全容解明を目指してほしいと願っています。また、白波瀬前副社長をはじめとして、ジャニー喜多川氏の存命中に性加害の隠匿や助長に関わっていた人びとは、自らの口で事実を認め謝罪することが求められます。
さらに、新しく代表取締役社長に就任した東山紀之氏は所属タレントであり、ジャニー喜多川氏による性加害問題の当事者でもあります。東山氏はジャニー喜多川氏からの性加害を受けたことがないと答えましたが、問題は実際に性加害を受けていたかどうかというだけではなく、事務所の専制的な企業体制、加えて権力者によるグルーミングなどが問題となっています。
東山氏自身の加害についても指摘がありました。性加害と言葉の暴力やパワーハラスメントを分離して、自身の行ったパワーハラスメントを過去の時代状況のせいにするような言動は人権侵害について理解しているとは言い難い言動ではありますが、その加害も事務所内の権力構造の中で起こった出来事であり、東山氏はその渦中におり、加害の連鎖が起こっていた可能性もあるのです。
事務所内の権力構造の只中にあった当事者であるタレントが、この問題について責任を取ることは、非常に難しいのではないかと考えます。
何より、東山氏のタレント活動の引退が発表され、一ジャニーズファンとして非常に混乱しており、素直に受け止められる状態ではありません。
東山氏だけでなく、今後所属タレントがコメントを求められるかと思うと胸が痛みます。どうかタレント当事者に、この問題についての見解を求めないでいただきたいと思います。
私たちは、現役タレントの中で所属歴が一番長い東山氏ですら「誰も幸せにしなかった」と評する人物が創業した事務所に所属するタレントたちを応援しています。
しかし、会見で何度も言われていた、所属タレントたちの努力を私たちも目の当たりにしています。彼らが彼ら自身の努力でステージに立っていることを、私たちは知っていますし、だからこそ今まで応援してきました。
そして、これからもジャニーズ事務所のタレントたちを応援していきます。
長年応援を続けてきたファンとして、この問題があるからといってファンをやめることはできません。
急にファンをやめるというのは問題から目をそらしていることにもなりかねません。また、タレントが性被害にあっていたかもしれないからといって見る目を変えることもありません。矛盾を抱えながらも声をあげていくことが大事だと考えています。
ジャニーズ事務所が法を超えて被害者救済を実行していくと宣言したからこそ、ジャニーズファンとしてその決意が実行されるところを見届けたいと思います。
2023年9月5日:日本トラウマティック・ストレス学会会長声明を受けて
日本トラウマティック・ストレス学会会長の声明を歓迎します。
この声明では、匿名のインターネット・メディアにおける被害者への誹謗中傷に懸念が表明され、被害者だけでなく支援者にも二次被害が波及しうると述べられています。
これはまさに現在、声をあげた被害者たちが日々直面している状況であり、私たちPENLIGHTに向けられる無根拠なバッシングにも当てはまります。
他の関連学術団体も、これに続いて声明を発出することを要望します。
科学的知見をもとに被害者を支えることは研究者の責務であり、ジャニー氏の性加害が放置されてきたことは、事務所や政府やマスメディアだけでなく、研究者も無関係ではありません。
2023年8月29日:再発防止チームの会見を受けて
本日、「外部専門家による再発防止特別チーム」 によるジャニーズ事務所の「ガバナンス上の問題 点の把握及び再発防止策の策定・提言に関する調 査」の報告書が公表され、 記者会見が開かれまし た。
再発防止特別チームの提言は、被害者の声に真摯 に耳を傾けた内容で、国際的な人権基準に準じて いるとても納得できるものでした。
基本的方針には 「ジャニーズ事務所は、組織とし てジャニー氏の性加害が事実であることを認め、被害者に真摯に謝罪し、すみやかに被害者と対話 を開始してその救済に乗り出すべきである」との記載があります。
これは今まで声を上げてきた当事者の方達の求め てきたことに応える内容であり、非常に嬉しく感じています。
ジャニーズ事務所は再発防止特別チームの提言をすべて受け入れて、記者会見で代表取締役のジュリー藤島氏自ら説明をしてくださることを切に求めます。
そして、性暴力被害からの回復にかかる長い時間を共に歩めるような、被害者にとって信頼できる企業として生まれ変わり「再出発」を果たして欲しいです。
また、現役タレントも混乱やストレスに晒されている状態だと予想されます。ジャニーズ事務所はタレントたちの人権を尊重し、心身のサポートに努めてください。
この件に関して現役タレントにコメントを求めることに PENLIGHTは反対します。
現在、告発者にも現役タレントにも誹謗中傷の矛先が向いていることからもわかるように、社会には性暴力被害とは何かという認識が欠けています。全ての現役タレントは当事者です。このような社会の中で当事者にコメントを求めるのは非常に暴力的ですし、ゴシップ的な消費以上にはなりえません。
特に報道番組でキャスターを務めるタレントにコメントを求める声が多くありますが、報道内容の 客観性を保つためにも当事者がキャスターとして話すべきではありません。
また、知名度と集客力があるタレントは、実際は事務所の一存でその地位がなくなる立場です。専属契約という雇用関係・権力関係がある以上、性加害について自由に発言することが難しい状況であることは明らかです。
事務所役員でさえないいちタレントの言及が、実際の被害の実態や事務所の対応を覆い隠してしまうことも望ましくありません。
私たちにできることは、話したいと思った時に話してもいいかなと思えるような、声を聞ける社会を作っていくことだと思います。
この提言はその第一歩であると考えます。
ジャニーズ事務所の真摯な対応を待望しております。
2023月8月2日:ジャニーズ事務所への誹謗中傷等についての要望書
株式会社ジャニーズ事務所 御中
要 望 書
わたしたちは、PENLIGHT (ペンライト)ジャニーズ事務所の性加害を明らかにする会と申します。貴社の所属タレントをこれまでこよなく愛し、応援してきた者たちです。会の名称である PENLIGHT(ペンライト)には、性暴力被害を訴えられず暗やみの中にある人たちに光があるように、との願いが込められています。
弊会より貴社に対し、次の対応を求め5月8日と6月7日の二度にわたり署名を提出しました。
1. 性暴力被害者の声に誠実に耳を傾けてください。
2. ジャニーズ事務所として、第三者委員会等を設置し性加害の検証・実態調査を行ってくだ さい。
3. 性暴力被害を訴えた方々に対し、事実を認め謝罪してください。
4. 性暴力被害者がトラウマの影響から回復するために適切な支援を行ってください。
5. 今後、性暴力被害を生まないための再発防止措置を具体的に定め、実行してください。
これに対して6月12日付、貴社より受領書を拝受し、代表はじめ経営陣の参加する役員会議に要望をご提出くださること、そして「心のケア相談窓口」及び「外部専門家による再発防止特別チーム」の設置が弊会の「申入れに沿うものである」との返答をいただきました。
まずは弊会の要望に対して直接回答をいただいたことに感謝申し上げます。
しかし、結果的に署名や要望がどのように役員会議で取り上げられたのか、どのように受け止められたのかわからないままであり、署名提出後の貴社の動きや報道等を拝見しても、現時点での対応は不十分であると考えざるをえません。
特に懸念されるのは、今もインターネット上を中心に、被害を告発した方に対する苛烈な二次加害が起こっていることです。
二次加害をしている人の中には、ジャニーズの現役タレントを応援するファンも多く含まれます。現役タレントのファンの方は、「事務所への責任追及によって現役タレントの活躍の機会が奪われる」ことを怖れて、被害者に対するセカンドレイプを行っています。
また、7月18日には、タレントのデヴィ・スカルノ氏が自身のTwitterアカウントにおいて、「昨今の流れは偉大なジャニー氏の慰霊に対する冒涜、日本の恥である」「本当に嫌な思いをしたのなら、その時なぜすぐに訴えない」などと発言しました。これらの発言は、性暴力の加害者であるジャニー喜多川氏を神格化し、被害者の置かれた現実を無視する点で、明白な二次加害にあたります。これをうけて、被害者のひとりであるカウアン・オカモトさんは、Twitter上で「もし勇気を振り絞って言ったとしても、あなたのような人に否定される」と反論しました。
こうした事態が継続している大きな要因は、「『事実』と認める、認めないと一言で言い切ることは容易ではない」(5月14日付藤島ジュリー景子社長見解)という曖昧な見解を貴社が撤回せず、いまだ公式の事実認定を避けていることにあります。また、2000年代の『週刊文春』との裁判に出廷した経営陣が現在も社内に残っているにもかかわらず、「知りませんでした」(同日付社長見解)として責任を否定する姿勢は、バッシングの矛先が被害者へと向かう土壌をつくっています。貴社の経営陣が責任を明確に引きうけないために、被害者自身がバッシングに反論する負担を強いられているという状況を、どうか重く受け止めていただきたいと思います。
さらに、貴社所属の現役タレントについても、報道番組のキャスターとして今回の件についてコメントをした際、その発言内容をめぐってバッシングが拡大する事態となりました。
7月18日には、「『外部専門家による再発防止特別チーム』専用窓口開設と今後の予定についてのお知らせ」の中で「本チームからの提言を受けた上での今後の対応に関して記者会見を行う予定」であると発表されましたが、今に至るまで記者会見を先延ばしにしていることが現役タレントを矢面に立たせることにつながり、バッシングを加速させる要因となっています。
正式な事実認定は、第三者委員会の機能を担うとされる再発防止特別チームの調査報告を待たなければなりませんが、調査結果の公表を待たずとも、現経営陣が記者会見を開き、ファンおよび社会全体に向けて「二次加害は許されない」と呼びかけることは十分可能なはずです。
現役タレントおよび過去の所属タレントへの誹謗中傷を許さないという姿勢を明確に示すことは、現時点で貴社が果たすべき最低限の責任ではないでしょうか。
一方、7月27日付『東京新聞』の記事によると、被害者のひとりである元ジャニーズJr.の中村一也さんは、貴社が設置した「心のケア相談窓口」に連絡をしたところ、どんな心のケアをしているのか尋ねても明確な返答を得られず、説得力がないと訴えています。また、対面ではなく電話での対応であったこと、対応した担当者が名前を名乗らないことなどに疑問を感じたと述べています。
この証言からも分かる通り、そもそも「心のケア相談窓口」が具体的にどんな支援を提供する窓口なのかということが、公表された情報では明らかでないため、被害者が相談しやすい窓口とはいえないのです。「心のケア」と一言で言いますが、性暴力被害からの回復には長い時間がかかります。長期にわたる回復の過程に寄り添い、最後まで被害者の方に伴走する覚悟があるのかということが、現時点では不明確といわざるをえません。
弊会だけではなく、多くのファンがジャニー喜多川氏の性加害およびそれに対する貴社の対応に疑念を感じています。「ファンファースト」を掲げる貴社には、ぜひファンの声に積極的に向き合い、その疑念を晴らしていただきたいと願っています。
そのためにも、記者会見を開くことはもちろんですが、現在停止中のジャニーズファミリークラブのメールシステムの復旧も進めていただきたいです。
つきましては、弊会より貴社に対して、新たに次の対応を求めます。
1. 現経営陣による記者会見を開き、被害者に対する二次加害を即座にやめるよう強く呼びかけてください。
2. 「心のケア相談窓口」について、どのような支援が提供される窓口なのかを具体的に示し、被害者の個別ニーズに合わせた柔軟な対応をしてください。
3. ジャニーズファミリークラブのメールシステムを復旧してください。
8月21日(月)までに上記要望に対する回答を求めます。
回答は随時公表してまいりますので、お含みおきください。
以上
2023年8月1日
PENLIGHT ジャニーズ事務所の性加害を明らかにする会
2023年6月19日:ジャニーズ事務所からの返信
署名に賛同してくださった皆様
ご報告が遅れましたが先日、ジャニーズ事務所から提出した署名について受取証書を受け取りました。
・要望書を役員会議に提出すること
・「心のケア相談窓口」と「外部専門家による再発防止特別チーム」を設置、対応を進行しており当団体の申し入れに沿うものであること
が記載されていました。
多くの方に関心を持っていただき、賛同していただいたから署名を提出することができました。
改めてご賛同いただいた皆様に感謝申し上げます。
事務所への直接的な働きかけにとどまらず、署名提出によってジャニー喜多川氏の性加害について多くのメディアに取り上げてもらうきっかけとなり、世論化の一助となったのではないかと思います。
再発防止特別チームは網羅的な調査は行わないということで、全容解明には至らないと考えられます。
また、調査の期限を切っていないことからいつまで調査が続けられるのか不明です。
今後どのように調査が進められ何が明らかになるのか、これで終わりではなく一人一人が関心を失わず社会全体で注視していく必要があります。
共に考えていきましょう!
2023年6月10日:外部専門家による再発防止特別チームについて
ジャニーズ事務所が公式サイトに「外部専門家による再発防止特別チームに関する件について」のお知らせを掲載しました。
外部専門家による再発防止特別チームは第三者委員会としての機能を有していることや、「一部週刊誌にて、弊社に以前所属していたとされる人物の性加害に関する記事が報じられていますが、本チームからは、この問題も含めて調査していく旨をお聞きしております。」との記載もあり、ジャニーズ事務所内でなぜ性暴力が起こってしまったのか、なぜ防げなかったのかが明らかになる第一歩であると考えます。
ジャニーズ事務所が再発防止特別チームとどのように連携を取って検証を進めていくか、代表取締役のジュリー藤島氏から説明されることを期待しています。
なお、第三者委員会には決まった形はありませんが、日弁連が出しているガイドラインが存在します。
このガイドラインを遵守しなくてはいけないわけではありませんが、ここに記載のあるように「企業等から独立した委員のみをもって構成され、徹底した調査を実施した上で、専門家としての知見と経験に基づいて原因を分析し、必要に応じて具体的な再発防止策等を提言するタイプの委員会」であることが望ましいと思われます。
ジャニーズ事務所ができてから60年余り、退所したジャニーズJr.やスタッフの数も多く検証には非常に時間がかかると予想されますが、丁寧に検証し、今後の性暴力事件への対策の先駆けなるような再発防止策を制定して欲しいです。
5月16日:PENLIGHTへの疑惑に対して 弊会の運営について
PENLIGHTは現在ジャニーズファン、そして活動に共感したメンバー4人で運営しています。
署名への賛同人の方々はあくまでも署名の趣旨に賛同している方々でありPENLIGHTの活動の運営や方針への関与は一切ありません。
そして、当団体から他の団体へ利益を誘導することはありません。
性暴力被害に関する一定の知見を有する専門家が聞き取りを行うべきであるという主張は性加害の実態調査を行う際には当然のことです。
そして、その専門家は特定の団体を指していませんし当団体からジャニーズ事務所に対して「この人(団体)に聞き取りをさせてください」などと指示することは不可能です。
そもそも私たちは、この運動を通して金銭を得ようとしていません。
現在も寄付やカンパなどを求めていませんし、記者会見の会場費用や署名に関する資料やパネルの印刷費用も自分たちで出しています。
これまですべて手弁当で行っており、金銭利益を得ることを目的とした活動では一切ありません。したがって弊会が何らかの利益、利権を生み出すなど毛頭考えられず、他団体へ利益誘導しようとしている等とされるのは荒唐無稽な憶測でそのような主張は失当というべきです。
繰り返しますが、賛同人は運営に一切関与しておりません。
当団体に根拠のない憶測が向けられており、非常に困惑しています。
当団体の活動と関係のないリプライがあまりにも多いため、ひとまずリプライ欄は閉じることにいたします。
PENLIGHT はジャニーズ事務所の所属タレントの応援を続けていくために事務所に誠実な対応を求めていますが、実際にどのように対応していくのかを決めるのはジャニーズ事務所です。
事務所の決定を左右するような大きな力は私たちにはありませんが、一人一人がおかしいことにはおかしいと声をあげていける社会を目指しています。その声を少しでもジャニーズ事務所に、そして日本社会に伝えていけるよう活動していきますので、どうか引き続きよろしくお願いいたします。
2023年5月15日:5月14日(日)21時発表 株式会社ジャニーズ事務所の「故ジャニー喜多川による性加害問題について当社の見解と対応」を受けて
2023年5月14日(日)21時、株式会社ジャニーズ事務所より「故ジャニー喜多川による性加害問題について当社の見解と対応」が発表されました。
記者会見で質問を受けるのではなくあらかじめ用意された文書のみの見解では不明点も多く、不十分であると感じていますが、
下記に弊会の見解を2023年5月9日(火)付、ジャニーズ事務所へ送付した要望書に即してお示しします。
1. 性暴力被害者の声に誠実に耳を傾けてください。
今回、現在名乗り出ている被害者の方々に対して謝罪をしたことは、企業としてひとまず誠実な姿勢を示したと受け止めています。
現時点では、まだ名乗り出ていない被害者が安心して名乗り出ることができるような体制となっているのか詳細が不明であるため、今後具体的にどのような方法で被害者と向き合っていくのか続報を待ちたいと思います。
2. ジャニーズ事務所として、第三者委員会等を設置し性加害の検証・実態調査を行ってください。
再発防止措置を講じる前提として、調査を行ったうえで性加害の実態と、被害が拡大してしまった原因を明らかにすることが必要です。
相談窓口は自ら申告しに行かなくてはならず、また、実態調査を目的として設置されたのかどうか不明であるため、相談窓口を設置するのみでは実態調査には不十分であると考えます。ヒアリングを受けるか否か、本人の意思確認を行うこと自体は二次加害ではありません。そして、ヒアリングを望まない方々については、その意思を尊重することは当然です。
現時点で報道に出ている証言によれば、被害にあっているジャニーズ所属のタレントがいるのではないかと推察されます。これを把握していながら、放置して良いはずがありません。
ヒアリングを望まない方々を尊重しながらも、調査結果の検証をできる道を探って欲しいです。
また、当時ジャニーズタレントと接していた社員においても性加害の事実を知らなかったのかどうか、知っていたとしたらなぜ防げなかったのか、企業として調査していく必要があると考えます。
3. 性暴力被害を訴えた方々に対し、事実を認め謝罪してください。
今回、現在名乗り出ている被害者の方々に対して謝罪をしたことは、企業としてひとまず誠実な姿勢を示したと受け止めています。
私たちが求めているのは、まず実態調査・検証をし、事実を認めた上で、企業として責任を持って性暴力被害者に謝罪をすることです。今回の見解におけるお詫びを出発点として、性暴力が放置されてきた原因を事務所自身の責任で明らかにしていくことを望みます。
4. 性暴力被害者がトラウマの影響から回復するために適切な支援を行ってください。
見解の中に記載された「相談をお受けする外部窓口」がカウンセリングのための窓口なのか、被害の実態調査を行うための窓口なのか、定かではありません。
被害を訴える方がいた場合は、外部の
カウンセラーにつなぐなど被害回復のための適切なサポートが求められます。
5. 今後、性暴力被害を生まないための再発防止措置を具体的に定め、実行してください。
再発防止措置を講じる前提として、調査を行ったうえで性加害の実態と、被害が拡大してしまった原因を明らかにすることが必要です。
「コンプライアンス委員会」の設置や新しい社外取締役を迎え入れることは必要ではありますが、まず第一に性加害の実態調査と検証が求められます。
以上
2023年5月15日
PENLIGHT ジャニーズ事務所の性加害を明らかにする会
PENLIGHT's Views
On Sunday, May 14, 2023, at 9:00 p.m., the "Our View and Response to the Sexual Assault Issue by the Late Johnny Kitagawa" was announced by Johnny's Office, Inc.
Although we feel that there are many unclear points and that the views expressed in a document prepared in advance, rather than being questioned at a press conference, are inadequate,we present below PENLIGHT's views in line with the letter of request sent to the Johnny's Office dated Tuesday, May 9, 2023.
(1) Please listen sincerely to the voices of victims of sexual violence.
We take the fact that the company has apologized to the victims who have now come forward as an indication of the company's sincerity.
At this time, we do not know the details of whether the company has a system in place that allows victims who have not yet come forward to do so to do so with peace of mind, so we await further news on how the company will specifically deal with victims in the future.
(2) Please establish a third-party committee to verify and investigate the actual situation of sexual abuse at the Johnny's Office.
As a precondition for taking measures to prevent recurrence, it is necessary to clarify the actual situation of sexual assault and cause of the expansion of damage after conducting an investigation.
We believe that merely setting up a consultation service is not sufficient to investigate the actual situation, since the consultation service must be reported by the individual, and it is unclear whether the service was set up for the purpose of investigating the actual situation. Confirming whether or not a person wishes to have a hearing is not in itself a secondary harm. It is only reasonable to respect the wishes of those who do not wish to have hearings.
According to the testimonies appearing in the press at this time, we can surmise that there are talents belonging to Johnny's who have been victimized. There is no way we can be aware of this and still leave it alone.
we would like you to find a way to verify the results of the investigation.
We also believe that the company needs to investigate whether the employees who were in contact with the Johnny's talent at the time were unaware of the sexual assault, and if so, why they could not have prevented it.
(3) Please acknowledge the facts and apologize to those who have complained of sexual abuse.
We believe that the company's apology to the victims who have now come forward is an indication of the company's sincerity.
What we are demanding is for the company to first investigate and verify the actual situation, acknowledge the facts, and then apologize to the victims of sexual violence in a responsible manner. We hope that the apology in this opinion will be a starting point, and that the Johnny's Office themselves will take responsibility to clarify the causes of sexual violence that have been left unchecked.
(4) Provide appropriate support for victims of sexual assault to help them recover from the effects of their trauma.
It is not certain whether the "external contact to receive counseling" mentioned in the views is for counseling or for conducting an investigation of the actual damage.
If someone complains of victimization, appropriate support for victim recovery, such as connecting the victim to an outside counselor, is required.
(5) Establish and implement concrete measures to prevent the recurrence of future sexual violence victimization.
As a prerequisite for taking measures to prevent recurrence, it is necessary to conduct an investigation to clarify the actual situation of sexual assault and the causes that led to the spread of damage.
While it is necessary to establish a "Compliance Committee" and bring in new outside directors, first and foremost, the actual situation of sexual assault must be investigated and verified.
May 15, 2023
PENLIGHT: The Association to Reveal the Sexual Assault at Johnny's Office
2023年4月23日:2023年4月21日のジャニーズ事務所が配布した文書を受けて
2023年4月21日、株式会社ジャニーズ事務所(以下、ジャニーズ事務所)から関係者各位に向けて、お詫びと相談窓口の設立を行うなどとした文書が送付されました。
文書ではジャニー喜多川氏(以下、喜多川氏)がすでに亡くなっていることを理由に全ての事実を確認することは難しいとしながらも、「問題がなかったなどと考えているわけではございません」として、一連の喜多川氏による性加害について今後対策を行うことを表明しており、PENLIGHT ジャニーズ事務所の性加害を明らかにする会(以下、PENLIGHT)としては、一定の前進があったと受け止めています。
しかしながら当該文書には、依然下記の問題点があります。
1) 第三者による実態調査と検証
ジャニーズ事務所は、現在在籍している社員やタレントにヒアリングと面談を行ったとのことですが、当事者である事務所自身が行っており、実態解明につながるのか甚だ疑問です。
社長といちタレントという、明らかな権力勾配のもとに行われた性加害であり、その被害を当事者であるジャニーズ事務所に告白するのは難しいものと推察されます。
第三者委員会を設置し、在籍中か退所済みかを問わず、タレントにヒアリングを行い、被害の実態調査を行うこと、性加害が拡大した原因の検証が求められます。その際、プライバシー等の人権に配慮がなされるべきなのは当然のことです。
2) 被害者らへの謝罪、被害回復の支援
当該文書は「関係者」に宛てて送付されました。これはあくまで、音楽関連会社等の取引先企業に対し心配と迷惑をかけたとしてお詫びを表明するにとどまっており、被害を訴えた方々への謝罪を意味するものではありません。
PENLIGHTは引き続きジャニーズ事務所に対し、すでに名乗り出ている性暴力被害者、さらにはこれまですでに複数の被害証言が報道されている(BBC、週刊文春)ことから、声をあげていない/あげられない潜在的被害者らへの謝罪をも求めます。
喜多川氏が行った性加害にとどまらず、ジャニーズ事務所が企業としてそれに有効な手立てをとらないことによって結果的に性加害に加担し、被害者を生み出し続けたことへの反省も含まれるべきです。
また同時に、被害を受けられた方々への被害回復措置(支援)も講じられるべきです。
3) 再発防止措置の策定
ジャニーズ事務所は経営体制の刷新により、特定の個人に権限が集中することを防ぐとしています。しかし、このことが再発防止措置を指すのだとすれば、不十分と言わざるを得ません。なぜならば権力勾配が発生するのは、使用者—被使用者の関係に限られないからです。
単に喜多川氏個人に帰責される問題であれば事態は単純かもしれませんが、果たしてそうでしょうか。性加害を見過ごした企業文化自体に問題はなかったのでしょうか。トップが入れ替わっても、それを支える組織構造が温存されていれば、性暴力を生む土壌は手つかずのままとなってしまいます。この問題に真摯に対応しようとするならば、個別の権力構造に着目し、具体的できめの細かい再発防止措置の策定が求められます。
以上
PENLIGHTは引き続きジャニーズ事務所に対し、性加害の検証と謝罪を求めていきます。
どうか引き続き、署名へのご協力と拡散をお願いいたします。
※署名の受付は6月4日をもって締め切りました
PENLIGHT ジャニーズ事務所の性加害を明らかにする会